乳化剤という保存料はかなりよく目にする添加物です。
アイスクリーム、チョコレート、チーズ・・・なんとなく乳製品を利用した食品によく使われるのかな?という印象をもたれがちですが、ブラックコーヒーに使われていたりもしますし、どんな目的のどんな成分なのか?気になりますよね。
食品に使われる目的と乳化剤の種類
水と油のように混ざりにくい2つの物質を混ざりやすくすることを「乳化」と言います。
混ぜ合わせる物質の表面に働きかけ、その物質の元々の性質を変えて均一に混ざりやすくすることができる添加物です。
泡立てやすくなり、ふんわりした食感を出すことも可能です。
さらに、製品を製造する際も均一な物性であることから、製造機械が通過しやすく機械が詰まったりといったことを回避する目的もあります。
また、「乳化剤」ではなく「リン酸塩」がチーズなどには、乳化する目的で使用されるケースがありますが、リン酸塩の過剰摂取は腎臓の働きを低下させやすくなることが知られています。
「リン酸塩」はカルシウムの吸収を阻害するので、骨の成長期にある学童期には特に避けるように意識したほうが良いでしょう。
乳化剤の種類
乳化剤と言っても種類がいくつかあり、それらをいくつか組み合わせて使うこともありますが、表示には「乳化剤」とまとめて記載することが認められているため、具体的な種類の表示義務がないのが現状です。
【ショ糖脂肪酸エステル】
無味無臭で食品の風味を損なわないことが特徴です。
体内での分解が早く安全性が高いことも知られています。
ただし大量摂取は下痢の原因になるので注意が必要です。
【グリセリン脂肪酸エステル】
油を分解して作られる乳化剤で、安全性の高さに定評があります。
防腐剤として使用されるケースもあります。
【ソルビタン脂肪酸エステル】
甘味料として知られているソルビトールと脂肪酸がくっついたものでアイスクリームやチョコレートなど菓子類に幅広く使用されます。
【ステアロイル乳酸カルシウム】
動物実験で脂肪肉芽腫ができるという報告がありますが、人への影響は不明です。
【ステアリン酸カルシウム】
医薬品に使われるケースが多い添加物ですが、安全性についても毒性についても十分なエビデンスはありません。
レシチン(大豆由来)は遺伝子組み換え原料か?
原材料にレシチン(大豆由来)と書いてある商品を時々見られると思いますが(チョコレートなどは代表)、レシチンも乳化剤です。
大豆由来ということで食品が原料なら安全だと思われますが、大豆はアメリカ産が大半で殆ど遺伝子組み換えです。
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また、以前乳化剤として利用されていたグリシドール脂肪酸エステルには、発がん性物質があるとのことでグリシドール脂肪酸エステルを使用した商品の使用が中止となったことがあります。
今後研究や実験で同様のリスクが示される可能性も否めません。
よく使われている食品の例は?
アイスクリーム
パン
ケーキ
ホイップクリーム
チーズ
マヨネーズ
ドレッシング
チョコレート
バター
マーガリン
コーヒーフレッシュミルク
ジャム
豆腐等々
缶コーヒーブラックにも乳化剤が使用されていたりします。
コーヒー豆には油分が含まれているのですが、コーヒーを抽出した際に表面に浮き出てくるのが目立たないように均一にならす為と、防腐剤代わりに「ショ糖脂肪酸エステル」が使用されます。
成分表示に「防腐剤」と記載されると身体に悪いイメージになり、「乳化剤」にすると一瞬クリーミーな商品のイメージになってしまうので、言ってみればメーカー側のごまかしの手段でもあります。
しっかり保存料について学んで、「ダマされた!」ということにならないように自己防衛することこそが大切なのです。
対応策はどうすればいいか?
マヨネーズやマーガリンなど、日常的によく使用するものはなかなか手作りというのは難しいかもしれませんが、ドレッシングやジャムなど手作りできるものはなるべく手作りしたほうが良いでしょう。
また、例えばコーヒーフレッシュミルクは入れずブラックコーヒーでなるべく飲むようにすることや、野菜にやたらとマヨネーズやドレッシングをかけないようにする習慣をつけるのも良いでしょう。
乳化剤のない無添加の食品もありますが、滑らかさがなく分離していたりすることがありますが、そういった食品に慣れていくことが大切ですね。
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