臭素酸カリウムという食品添加物。名前からして、なんだか臭ってきそうな成分っぽいですよね(笑)。
ちょっと聞き慣れないこの添加物、いったいどんなものなのか気になりますね。
臭素酸カリウムって何?食品に使われる目的は?
パンは、小麦粉や全粒粉などを主原料とし、パン酵母、塩、バター、卵などを混ぜてこねて発酵させますよね。
イーストや酵母などは生きた菌で、自然素材で素晴らしいですが、鮮度が悪くなるとふくらみが悪くなったり、安定しなかったり、またかなりの時間を要する為取り扱いが難しいのが特徴。
生地の物性を改良して品質を向上させるために酸化剤が使われるのが一般です。
小麦粉など粉物を練るとグルテンと言って粘り気のもとが発生するのですが、それを酸化させることでグルテンの性質を向上させ、パン生地がよく伸びてしかもふんわりと仕上がり、パン独特の食感を改良、安定させます。
早く発酵させることができるので時短にもつながります。
また、パンを焼いたときの美味しそうな焦げ目をつけることも可能です。
このような酸化剤の一つが臭素酸カリウムなのです。
摂取することで考えられるリスク またはメリット
臭素酸カリウムは酸化作用が強く、加熱する過程では有毒な臭素ガスを発生する為、第1類危険物に指定されているのです。
こんな危ない成分ならとても口にすることは恐ろしい!
そう思いますが、製パンしたものを分析すると、成分が残らず検出されないのです。
つまりしっかり焼いてしまえば残らないことも知られています。
臭素酸カリウムの添加量の使用基準は、小麦粉1kgに対して上限30mgまで添加することができると定められています。
第三者機関を介して日本パン工業会では、パン1kgにつき臭素酸カリウム残量が0.5μg以下という厳しい基準を設けています。
しっかり加熱すると問題ないとは言っても元々の成分自体は「第1類危険物」であり、製造過程で中心温度が十分上がり切っていない場合など、毒素が残存している可能性は否定できないのかもしれません。
臭素酸カリウムに発がん性物質はあるか?
臭素酸カリウムは、小麦粉処理剤として日本で使用が認められているものの、海外では使用が認められていない国もあります。
動物実験で発がん性が認められた経緯から、国際がん研究機関(IARC)では発がん性リスクを「グループ2B」に分類しました。
これは発がんの可能性が否めないというレベルです。
合同食品添加物専門委員会(JECFA)でも臭素酸カリウムの使用に関しては、動物実験で発がん性が示されたことから消極的なコメントが出ています。
また、腎臓への発がん性が認められたという報告もあります。
様々な実験から得られたエビデンスを元に小麦粉処理剤としての臭素酸カリウムは、食品に残留すべきでないが、最終的にきちんとした分析を行い臭素酸が残留しなれば使用可能とされました。
臭素酸カリウムがよく使われている食品の例は?
パン
パン加工品
肉まん
ヤマザキパンのランチパックは、品質や風味を良くするために臭素酸カリウムを使用していたことで有名です。
健康問題があるとして批判を浴びたため、現在は使用していないとしているようです。
そして添加されているという訳ではありませんが、水道水にも臭素酸カリウムが含まれています。
対応策はどうすればいいか?
そもそもパンは、小麦粉が主に使われており血糖値も上げるため、健康を考えるならば控えたほうが良い食品です。
しかしパンが大好きで食べないというのは淋しいという人もいるかもしれません。
基本的には臭素酸カリウムの残留がないものが商品化されているとされていますが、まずコンビニのパンや値段が安いものは様々な添加物が使われているためやめるべきだと思います。
パンを買う場合は、せめて目の前で焼いているパン屋さんで焼きたてを購入しましょう。
子供に食べさせる場合は、ホームベーカリーで今は簡単に粉類をセットさえすれば美味しいパンが作れます。
ホームぺーカリーがないという方は手作りもできますよ。
【丸パン】
食材 | 分量(1人分) |
強力粉 | 45g |
薄力粉 | 5g |
ドライイースト | 小さじ4分の1杯 |
砂糖 | 5g |
豆乳 | 35ml |
バター | 2g |
卵 | 4分の1個 |
「作り方」 ①粉をふるい、砂糖と塩を入れ軽く混ぜる。粉の中央にくぼみを作り、35度程度に温めた牛乳を注ぎ、イーストも加え、ひとまとまりになるように混ぜる。 ②ボウルに入れ、ラップをして濡れ布巾をかけて1時間一時発酵。 ③一次発酵終了後ガス抜きし、生地を丸め直し成形する。 ④オーブン200度15分焼く。 |
お好みでレーズンやくるみを入れても。
あくまでも臭素酸カリウムのリスク軽減の為のレシピであり、小麦粉は遺伝子組み換え食材であり、それに関してのリスクは考慮していません。
小麦粉はグルテンというタンパク質がアレルギーを起こす原因になるので、何らかの症状がある場合は米粉で代用するか、パンをやめて米を食べるようにするのがいいでしょう。
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