製パンするのにイースト菌や天然酵母が必要であることはよく知られています。
イーストフードも似たような名前だし、パンなどの成分表示によくイーストフードの文字を見ますがはたして同じようなものなのでしょうか?
違いはどういう点なのでしょうか?
パン好きな人必見です。
イーストフードが食品に使われる目的
家庭でパンを作られる人は、イースト菌を一般的にはよく使用すると思いますが、発酵するまでにかなり時間を要しますよね。
イースト菌も酵母も生きているため、開封すると劣化も早いですしそれなりのお値段。
多くの市販のパンにはイーストフードが使われています。
これはイーストフードをパン酵母の餌として混ぜ合わせると、小麦粉の粘り気の元となるグルテンを抑え、簡単にふっくらとしたパンを大量に作ることができるためです。
イーストフードは「ふくらし粉」のような役割をするものなのですね。
また、水と油分を混ざりやすくする働きもあります。
製パンに使用するバターや牛乳、水などを混ざりやすく扱いやすくします。
つまりイーストフードはパンメーカーにとって必須の添加物ともいえます。
イーストフードは物質を現すものではなく、リン酸カルシウム、塩化アンモニウムなど16種類あり、それらの総称になります。
大体その中から5種類程度を選んで製パンに使用されます。
大量に製パンする際、イーストフードを利用することで安定したふっくらしたパンを作ることができます。
製パンメーカーにとっては大助かりな保存料になります。
しかし、消費者にとってはどうでしょう?
イーストフードを摂取することで考えられるリスク またはメリット
イーストフードのなかには毒性の強いものもあります。
特に「塩化アンモニウム」は動物実験で死亡が認められたという報告もあります。
では塩化アンモニウム以外のイーストフードなら安心では?ということになるのですが・・・
残念ながらイーストフードは一括表示名が認められているので、市販のパンの原材料表示からはどの成分が用いられているか消費者には分からないのです。
また、パンにもよく使われる「乳化剤」も防腐剤、防カビ剤の用途として添加されることがあります。
しかしイーストフードと同様に、5種類の乳化剤が一括表示が認められているので、成分を正しく把握できないのです。
関連記事⇒パンに含まれる乳化剤とは防腐剤なのか?
発がん性物質はあるのか?
イーストフードではありませんが、「臭素酸カリウム」を製パンに使用する場合があります。
臭素酸カリウムは動物実験で腎臓に腫瘍ができたり、腹膜に癌を発生させたりする可能性があるとしてヨーロッパ(EU)を始め、海外では使用禁止となっています。
しかし、日本ではパンの製造に使用することは認められています。
ただ、臭素酸カリウムは加熱することで分解され「臭化カリウム」になると言われ、残留しないことを条件として使用が日本では認められています。
臭素酸カリウムについての詳細は「臭素酸カリウム」の記事を参照ください。
関連記事⇒【ランチパックが炎上!?】臭素酸カリウムに発がん性の危険!
イーストフードがよく使われている食品の例は?
菓子パン
食パン
パン全般によく使用されます。
ただし、最近では「イースト不使用」を売りにしている製パンメーカーもあり、必ずしも市販のパンだからと言ってイーストフードを使用しないケースもあります。
イーストフードを避けるための対応策はどうすればいいか?
前項でも述べたように、市販のパンでもイーストフードを用いず製パンしているものもあります。
表示を確認してみましょう。
ややお高めかもしれませんが、それでもなるべく天然酵母、イースト菌を使用した天然素材のパンが良いでしょう。
また、パン屋さんの食パンはイーストフードを使用していないところが多いので、毎日食パンを食べる家庭ではパン屋さんで買われることをおススメします。
最近ではホームベーカリーも比較的安価で手に入れることができますので、自家製パンにしてみてはいかがでしょう?
たまにしかパン食にしないという家庭では、市販のイーストフード入りのパンを食べるのも基本的には大きな問題はないでしょう。
小麦粉は色々と問題が指摘されていますので、手作りするなら米粉で代用するのがオススメです。
朝や昼はパン食を毎日食べる習慣がある家庭では、口にする頻度が多くなるので、なるべく手作りするのに越したことはありません。
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