虫歯予防として注目されているキシリトールは、糖アルコール類の天然の甘味料です。
自然の野菜や果物にも含まれているものなので、人工甘味料のように危険度の高いものではありません。
キシリトールが虫歯にいいとされているのは、歯垢にいるミュータンス菌の活動を抑えてくれる作用があるからです。さらに、虫歯の原因になるプラーク(歯垢)も付きにくくしてくれる効果もあるのです。
キシリトール効果で虫歯や口臭が治るのは本当?
人の歯は、歯垢が付いた部分の虫歯菌が歯を溶かし、唾液によって溶けた歯を元に戻す(再石灰化)ことを繰り返しています。
唾液には、ミネラルやカルシウムが含まれていて、これによって再石灰化することができています。キシリトールは、この再石灰化にも関わっている可能性があると言われているのです。
つまり、キシリトールは、歯垢のミュータンス菌を抑えることで、歯を溶かすのを抑えるのと同時に、歯を復元する石灰化の両方に効果があるのです。
キシリトールで虫歯菌が減るため、口臭予防にもなりますし、軽度の虫歯であれば自力で治せるようですが、どこまで自然治癒できるかはまだ不明確です。歯は、象牙質があり、その周りをエナメル質が覆っています。このエナメル質が少し溶けている程度であれば自然治癒可能ですが、大きくえぐられ、冷たいものがしみる場合は微妙になります。その場合は、歯医者にいって相談するといいでしょう。また、神経に近い象牙質にまで到達してしまうと、自然治癒が難しくなります。
市販のキシリトール100パーセントガム歯科医院専用の効果とは?
虫歯を予防するために食べるキシリトールガムは、次のことに注意が必要です。
・キシリトール50%以上の含有量のもの
※一般に発売されている含有量は、30%~70%程度
・キシリトール以外の甘味料(アスパルテームなど)が含まれていないもの
[ad#ad-1]キシリトールガムの噛み方
虫歯予防に必要なキシリトールの摂取量は1日5g以上と言われています。歯科専用の100%キシリトールであれば、1日4~6粒で十分です。
私がやっているキシリトールの噛み方ですが、まずガム表面の部分に含まれているので、噛み始めの時にでる成分はすぐ飲み込まないようにします。
そして、ガムをまんべんなく隅々の歯にまで行き渡らせてなじませます。だいたいこれを5分はやっています。
食べるのは、歯磨きして歯をキレイにしてから噛んだほうがしっかりとキシリトールが行き渡ります。
一方で歯垢が気になる場合は、食後30分以内にガムを食べるとキシリトールが歯垢をさらさらにしてくれます。その後、歯磨きするとしっかり歯垢を落とすことができます。
ちなみに、食後はエナメル質が柔らかくなっており、傷つきやすいので再びエナメルが固くなる30分後にするようにしています。
そして、最も注意するのは唾液を分泌させることです。ある芸能人が毎日3回10分ほどかけて歯磨きをしていたにも関わらず。どんどん虫歯になっていくというのを見ました。その原因は唾液の分泌が少なかったため、歯が溶けていく一方になったためでした。
つまり唾液の分泌量が少なくなる食後や就寝前に噛んで、意識して唾液を出すようにするのが効果的です。
まとめるとこんな感じです。
【通常】
食後 ⇒ 歯磨き(30分後) ⇒ ガム
【歯垢を落としたいとき】
食後 ⇒ ガム(30分以内) ⇒ 歯磨き
キシリトールガムや飴で下痢や血糖値上昇の危険性は?
キシリトールを食べると下痢になるということをよく聞きます。これは腸内での消化吸収が良くないので、消化しきれなかったキシリトールがそのまま大腸まで行ってしまうからです。
さらにキシリトールには水分を吸収する性質もあり、下痢を引き起こすことがあるのです。100%キシリトールガムの場合は、1日4粒程度で済みますが、それでも下痢になりやすい場合は食べる量を調整してみるといいかもしれません。
しかし、吸収率が悪い分血糖値上昇も砂糖の約半分と言われています。そのため、血糖値が気になる人や、糖尿病患者にとってはとても優しいガムと言えます。
歯科医院専用の100%キシリトールガムではなく、コンビニやスーパーで売られているものは、アスパルテームなどの人工甘味料も含まれているので、こちらは血糖値をあげますので注意してください。
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