少し前の話しですが、輸入の柑橘類の皮のあの「テカテカ」は農薬で身体にとって毒!とテレビで放映され騒ぎになったことを覚えておられますか?
今回取り上げる「イマザリル」は、輸入のフルーツに使われる防黴(カビ)剤のことなのです。
食品に使われる目的
日本で販売される柑橘類の殆どが輸入品です。
海外からは船で輸送されるため時間がかかってしまい、その間にカビたり腐ってしまいます。
それでは日本到着時に商品として売ることもできないので、カビが生えるのを防止する為に使用されるのです。
イマザリルの怖さ
売られている商品が既にカビが生えていたなんて、消費者も販売者も共にデメリットとなってしまいます。
鮮度のいい柑橘類が食べられるのは、防カビ剤によるところなんです。
この防カビ剤に用いられるのが「イマザリル」や「OPP(オルトフェニルフェノール)」「TBZ(チアベンタゾール)」ですが、これらは全て農薬なのです!
農薬と言うと植物を栽培する際に虫が来ないように、病気にならないように使用されるものをイメージされると思いますが、防カビ剤としての農薬は収穫した後で使用します。
このタイプの農薬を「ポストバーベスト農薬」と言います。
しかしながら、これらのポストハーベスト農薬は、通常栽培に使用される農薬の100倍以上の濃度であることから、皮のみならず中の果実まで染みこんでしまう危険があるのです。
そしてポストハーベスト農薬が、大量に身体に吸収されると肝機能や腎機能障害が起こることが知られていて、日本では使用が禁止されています。
動物実験でも、体重1㎏あたり約0.25gで実験対象の半数程度が死亡したという結果が出ており、毒性の強さは明確です。
また、イマザリルを含む餌を与えて飼育したメスから生まれた子供は、体重増加率不良であることや神経行動異常が認められたとも言われています。
そういった経緯から食品1㎏あたり柑橘類は0.005gまでが使用上限量と定められています。
また厚生労働省では「イマザリルを飲みこんだ場合は有害である」と注意喚起しています。
発がん性物質はあるか?
ポストハーベスト農薬は、急性毒性が強いことが分かっているのみならず、「発がん性」や「催奇性」など様々な健康被害、影響を与える成分が含まれています。
更にイマザリルはそれのみで使用されず、防カビ効果を強める為にいくつかの薬剤と併用されることが多く、リスクは増大していると考えられます。
[ad#ad-1]よく使われている食品の例は?
・オレンジ
・グレープフルーツ
・レモン
・バナナ
などに用いられます
(最近ではバナナへの使用は少なくなってきたと言われています)。
対応策はどうすればいいか?
「しっかり洗ってから使用すること」などと言われたりもしますが、イマザリルは不水溶性なので水洗いをしたところで完全に洗い流すことは難しいと言われています。
中性洗剤でしっかりこすり洗いすれば良いのではということになるのですが、今度はその洗剤が実まで浸透してしまいます。
また、イマザリルは皮のみに塗布しても果実にまで浸透することも知られています。
結局皮を剥いて食べようが洗おうがあまり意味はないと言えます。
防カビ剤を使用した果物は、はっきり言って食べないにこしたことはありません。
特に妊娠中は胎児への影響を考えると、海外から輸入された柑橘系フルーツは食べないほうが良さそうです。
ただ、柑橘類のビタミンCの豊富さは他のフルーツの群を抜いていることもあり、免疫力アップやお肌の健康には取り入れておきたい食品です。
国内産の、しかも無農薬のものを選ぶのがベストでしょう。
なぜそれでもボスとハーベスト農薬は使用されるのか?
厚生労働省ではポストハーベストの国内での使用を禁止し、また飲み込んだ場合有害であるとの注意喚起まで行っていながら、輸入品に関しては使用を認めています。
それには、政治的諸事情があるようです…。
そういった背景を理解しつつ、我々国民は自身の健康を守るように対策を考えていく必要があるのです。
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